「せっかく練習しているのに、なかなか上達しない…」「昔は吹けたはずなのに、どうして?」

そう感じているあなたへ。実はそれ、あなただけではありません。クラリネットを再開した大人の多くが同じような壁にぶつかります。
今日は、多くの人が陥りがちな「あるある失敗談」を3つご紹介します。そして、その失敗を乗り越え、演奏をさらに楽しくするための解決策をお伝えします。
1. 「息が続かない!」と悩んでいませんか?
あるある失敗談:フレーズの途中で息が切れてしまい、音が途切れてしまう。昔はできていたはずなのに…と感じる。
原因: 大人のクラリネット再開者によくあるのが、腹式呼吸(お腹で息を吸う呼吸法)が浅くなっていることです。日常生活では胸式呼吸が中心なので、意識しないと昔の感覚を取り戻すのは難しいかもしれません。
解決策: 腹式呼吸を意識したロングトーン練習が効果的です。
- まず、鼻から大きく息を吸い込み、お腹が膨らむのを感じます。
- ゆっくりと息を吐きながら、クラリネットで長い音を吹きます。このとき、お腹をへこませずに膨らんだままキープします。
- 1日に数回、楽器を吹かなくても、息を吸ったり吐いたりする練習だけでも効果があります。
2. 「指がもつれてしまう…」と感じていませんか?
あるある失敗談:速いパッセージ(音の連なり)になると、指が思うように動かず、音が途切れたり、かすれたりする。
原因: 指が硬くなっていることが主な原因です。また、昔は無意識でできていた指の動きも、ブランクがあると脳からの指令がスムーズに伝わりにくくなります。
解決策: ゆっくり、正確に練習することが何よりも大切です。
- いつもよりずっと遅いテンポで、正確に音を出す練習をします。
- 最初は頭の中で階名(ドレミファソ)を読みながら1音ずつ確実に、次に1拍目の音群、2拍目の音群、と少しずつ増やしていきます。
- 焦って速く吹こうとせず、完璧な指の動きを体に覚えさせることが上達への一番の近道です。
3. 「高い音が出ない…」と悩んでいませんか?
あるある失敗談:クラリネットを吹き始めた頃は出せていたはずの高い音が、今ではなかなか出せず、変な音になってしまう。(リードミスやニワトリみたい)
原因: アンブシュア(口の形や使い方)が不安定になっていたり強く噛みすぎたりしている可能性があります。リードの振動をしっかりコントロールできていないと、音程が不安定になったり、高い音が出にくくなったりします。
解決策: 鏡を見ながらのアンブシュアを確認したり、立って練習したりするのがおすすめです。
- 鏡の前でクラリネットを構え、口の形が正しく保たれているかチェックします。口角が下がっていないか、唇がしっかりリードを覆っているかなどを確認しましょう。
- 足を肩幅に開いてしっかり立ち、息はベルの先から遠くまで流れていくイメージで、音は頭の上から出るイメージで吹いてみましょう。
あなただけの「クラリネット時間」を楽しみませんか?
演奏の失敗は、決して「下手になった」ということではありません。それは、あなたが再び上達するためのステップです。
これらの解決策を試して、少しずつ自信を取り戻してください。クラリネットを吹く時間は、誰のためでもない、あなただけの特別な時間です。焦らず、楽しみながら、クラリネットとの再会を喜びましょう。
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