知ってた!?クラリネットのお手入れであなたも楽器も健康に!

全般のお悩み

「昔吹いていたクラリネットをまた始めたいけれど、お手入れってどうするんだっけ?」

「このクラリネット、ずっと大切に使えるかな?良い音色を保ちたい!」

そう思っているあなたへ。クラリネットのお手入れは、単に楽器を綺麗にするだけだと思っていませんか?実は、あなたの楽器が長持ちするかどうか、そしてあなたの健康状態にまで深く関わっているとしたら…どうでしょう!?

今回は、「そうだったのか!」と新たな発見があるクラリネットのお手入れ方法を徹底解説します。基本を思い出して、さらに一歩進んだケアを実践!さらに、お手入れを怠ったことで実際に起こった驚きの健康リスクまでご紹介。あなたの大切な楽器と、そしてあなた自身の健康を守りながら、毎日安心してクラリネット演奏を楽しみましょう!

クラリネットは清潔に!毎日の基本ケア

毎日の練習休憩中や練習終了後に、疲れているからとそのまま楽器を放置していませんか?実は、この「基本ケア」を怠ると、楽器の寿命を縮めるだけでなく、あなたの健康も脅かすことになりかねません。しかしご安心ください。基本ケアは、たった5分もあれば完了する簡単なことばかり。

クラリネットの内部には、あなたの息に含まれる唾液や結露による水分がたっぷり溜まっています。この水分こそが、木材のひび割れや、カビ・雑菌の繁殖、キイのサビなど、あらゆるトラブルの元凶です。しっかりと毎日の基本ケアを行い、このルーティンを復活させて、楽器もあなたもすっきり気持ちよく毎日を過ごしましょう!

クラリネット内部の水分を徹底除去!

クラリネットケアで何よりも大切なのが、管体内部に残った水分を徹底的に除去することです。木製クラリネットは湿度変化に敏感なため、水分は大敵です。練習後だけでなく、練習中にも何度も水分除去を行う必要があります。特に、結露が起こりやすいのはエアコンや冬の寒さなどで室温が低くなる時です。練習中はベルから水が垂れてくる前を目安にこまめにスワブを通しましょう。


お手入れには、クラリネット専用の「スワブ」を使用します。これは、紐付きの布や棒に布を取り付けたもので、楽器内部の水分を吸い取るためのものです。マウスピース(またはバレルまで)を外したら、スワブをゆっくりと通しましょう。特に水分が溜まりやすい上管と下管は、外して改めてスワブを通してしっかりと拭き取るのがポイントです。マウスピースとバレルの水分もスワブでしっかり拭き取ります。マウスピースはスワブを通すと先端が傷つくので優しく内部を拭くだけにするか、マウスピース専用のスワブを下からゆっくり通しましょう。


楽器のジョイントの溝にもたくさんの水分が溜まります。目視確認して綺麗に拭き取るようにしてください。スワブが汚れてきたら、適宜洗濯して清潔に保ちます。この簡単だけど重要なステップを毎日実践するだけで、楽器の寿命は格段に延び、常にクリアで安定した音色を保つことができます。

水漏れ厳禁!トーンホールやキイ周りは大丈夫?

クラリネット内部の水分除去が終わったら、次に忘れずチェックしたいのが「トーンホール」周りです。トーンホールとは音を変えるための穴の事を言います。実は、演奏中にあなたの指や息によって、指で押さえないトーンホールの裏側にある「タンポ(音孔を塞ぐパッド)」にも目に見えない水分が付着しています。そう、俗にいう「洪水が起きた」状態ですね。音に影響はなくとも洪水は内部でたくさん起こっています。この水分を見逃すと、せっかくの良い音色が台無しになるだけでなく、楽器の寿命を縮める原因にもなりかねません。

水分が残ったまま放置すると、タンポが湿って劣化しやすくなり、音が出なくなることがあります。また、キイの動きが悪くなったり、金属部分にサビが発生したりすることも!そこで活躍するのが「クリーニングペーパー」や、吸水性の良い小さな「ガーゼ」です。紙質によってはあぶらとり紙も活用できます。特にデリケートなタンポには、クリーニングペーパーをそっと挟み込み、軽くキイを押さえて水分を吸い取らせるように優しくケアしましょう。ペーパーを挟んだままスワブを通すことも効果的!無理にこすったり、引っ張ったりするのは厳禁です!このひと手間でタンポの劣化を防ぎ、キイの動きをスムーズに保つことができます。あなたのクラリネットがいつも最高の状態で、豊かな音色を奏でられるようになりますよ。

楽器には「楽器ドック!?」

毎日の基本ケアはバッチリ!でも、それだけでは完璧とは言えません。「え、楽器にも健康診断が必要なの!?」と思うかもしれませんが、実は、定期的に行う「特別ケア」が、クラリネットを本当に長持ちさせ、常に最高のコンディションで演奏し続けるための秘訣なのです。

この特別ケアは、まるで人間が定期的に健康診断を受ける「人間ドック」のように、楽器の細部に目を向け、潜在的なトラブルの芽を摘むための大切な時間。日々の練習で気づきにくい小さな変化が、積もり積もって大きな問題になる前に、あなたのクラリネットにも「楽器ドック」を受けさせてあげましょう。たった数分のチェッで、楽器のメンテナンスのタイミングを見極めるだけで寿命は驚くほど延び、あなたの演奏もさらに快適になりますよ!

ジョイントコルクをチェック

クラリネットを組み立てる際に、各パーツを繋ぐ部分にあるのが「ジョイントコルク」です。このコルクの状態を定期的にチェックし、適切にケアすることは、楽器の組み立てをスムーズにするだけでなく、音漏れを防ぎ、楽器本体への負担を軽減するために非常に重要です。コルクが乾燥したり、ひび割れていたりすると、組み立てが困難になるだけでなく、無理に力を加えることで木部にダメージを与えてしまう可能性もあります。また、気密性が保てないと、息が漏れてしまい、安定した音が出せなくなることも。

チェックの際は、コルクにひび割れや乾燥が見られないかを確認しましょう。乾燥していると感じたら、クラリネット専用の「コルクグリス」を薄く均一に塗ってください。リップクリームのようにスティック状のものが一般的ですが、オイル・グリスタイプの方が伸びがよく長持ちします。塗りすぎはホコリの付着に繋がるので少量で十分です。コルクへ塗布した後は、指で優しくなじませるように伸ばしましょう。このグリスアップは、コルクの乾燥具合や、組み立てる際の感触に応じて、週に一度や月に数回など、定期的に行うのがおすすめです。このひと手間で、組み立てが格段にスムーズになり、楽器を快適に長く使い続けられます。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

スライド&コルクグリス小(S)シルバー
価格:495円(税込、送料別) (2025/10/7時点)


タンポの状態をチェック

クラリネットの音色や音程に直接的な影響を与える、キイの裏側にある「タンポ(音孔を塞ぐパッド)」。このタンポの状態を定期的にチェックすることは、楽器のパフォーマンスを最高に保つための、まさに「楽器ドック」に欠かせない項目です。タンポはデリケートなパーツであり、演奏中の水分やホコリの付着、そして時間の経過とともに、硬くなったり、接着面が剥がれてしまったりすることがあります。そうなると、音孔が完全に塞がらなくなり、「音漏れ」が発生。せっかく練習しても、音がかすれたり、正確な音程が出せなくなったりする原因となります。

チェックの際は、各キイをゆっくりと押し下げ、タンポがトーンホールを均一にしっかりと塞いでいるかを目で確認しましょう。タンポの表面にひび割れや、目立った凹みがないかも見てみてください。もし、水分による固着が見られる場合は、先にご紹介したクリーニングペーパーを挟んで優しく吸い取ります。しかし、タンポ自体が大きく損傷していたり、ひび割れていたりする場合は、自分で無理に修理しようとせず、速やかに楽器店などの専門家に相談しましょう。日頃からタンポの状態を把握しておくことで、小さな変化にも気づきやすくなり、楽器のトラブルを未然に防ぐことができます。

定期メンテナンスとは?

ここまで、ご自身でできるクラリネットの日常ケアと特別ケアについてお話ししてきましたが、実はもう一つ、楽器を最高の状態で長く使うために欠かせない「定期メンテナンス」というものがあります。これは、まるで人間が定期的に健康診断を受けるように、楽器の専門家によるプロの点検・調整を指します。「楽器ドック」の最終段階とも言えるでしょう。

いくら丁寧に毎日お手入れをしていても、楽器は木材や金属、革などでできており、時間の経過とともに摩耗したり、気候の変化で微妙に状態が変化したりするものです。例えば、キイのバランス調整、タンポの交換、コルクやフェルト部品の交換、管体のクリーニングなど、専門的な知識と技術が必要な作業は多岐にわたります。楽器店やリペア工房では、専用の工具と熟練の技術で、普段見えない内部の状態まで細かくチェックし、最適な状態に調整してくれます。

推奨される頻度は、演奏頻度にもよりますが、年に1回程度の定期メンテナンスが理想的です。この定期的なプロのケアによって、楽器の寿命は格段に延び、常に最高の響きと快適な演奏性を保つことができます。もちろん、自分で直そうとせず、少しでも異変を感じたら専門家に見てもらうのが最も安全な方法です。

【番外編】まさか…「クラリネット肺」って知ってる?

さて、ここまではクラリネットを長く大切に使うためのお手入れ術をご紹介してきましたが、ここからは、お手入れの重要性を改めて痛感する、ちょっと驚きの実話をご紹介します。「まさか、そんなことってあるの!?」と思うかもしれませんが、これは実際に起こった話です。

皆さんは「クラリネット肺(Clarinet Lung)」という言葉をご存知でしょうか?これは、クラリネットなどの管楽器のお手入れを怠った結果、楽器内部に繁殖したカビやバクテリアの胞子を演奏中に吸い込んでしまい、肺に炎症を起こす「過敏性肺炎」というアレルギー性疾患のことです。

実際に、30年以上もの間、一度も掃除をしていなかったクラリネットを演奏し続けた61歳の男性が、慢性的な咳や呼吸困難に悩まされ、この「クラリネット肺」と診断されたという事例が報告されています。彼は、まさか愛用の楽器が病気の原因になっているとは夢にも思わなかったでしょう。

この話は、楽器のお手入れが単に音色や楽器の寿命に関わるだけでなく、あなたの健康、そして何より命を守るための大切な行為であることを私たちに強く教えてくれます。美しい音色を奏でる喜びと共に、安心して演奏し続けるためにも、楽器を清潔に保つことの重要性を改めて心に留めておきましょう。

大切なクラリネットとあなたの健康を守るために

今回は、クラリネットの基本的なお手入れから、見落としがちな特別ケア、そして「クラリネット肺」という驚きの実話まで、幅広い情報をお届けしました。楽器のお手入れが、単にクラリネットの寿命を延ばすだけでなく、あなたの健康にまで直結するということに、「知らなかった!」「そうだったのか!」と感じられた方も多いのではないでしょうか。

毎日のお手入れは、楽器を清潔に保ち、カビやバクテリアの繁殖を防ぎ、安心して演奏できる環境を整えます。また、定期的な「楽器ドック」でプロの目で点検・調整をしてもらうことで、楽器は常に最高のコンディションを保ち、あなたの表現力を最大限に引き出してくれるでしょう。

子育てや仕事に忙しい日々の中でも、少しだけ時間を取ってクラリネットと向き合う時間は、きっとあなたにとってかけがえのないものになるはずです。正しいお手入れを習慣にし、大切なクラリネットを末永く愛用してください。そして何より、楽器を清潔に保つことで、あなた自身の健康もしっかりと守りながら、心ゆくまでクラリネット演奏を楽しみましょう!

タイトルとURLをコピーしました